株式会社設立【外国人編】
外国人が日本で株式会社を設立する場合や、発起人や役員が海外に居住している場合に困る手続きについて解説いたします。
※基本的な会社設立については以下のページをご参照ください。
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役員の居住地
株式会社の取締役は少なくとも1名必要ですが、その取締役の全員が外国人であることはもちろん、日本に居住していなくても設立可能です。ただし、申請は日本で行うので、書類準備や申請の際に来日もしくは代理で行う人物が必要です。
出資の払い込み
株式会社の設立登記の際は、資本金の払い込みを証する書類の添付が必要ですが、日本の金融機関の口座に払い込みが行われていることが必要です。発起人が海外に居住している場合は、日本に口座がないことも多いかと思います。その場合は、取締役の誰かが日本に口座を持っている場合は、取締役に資本金の払い込みを委任することが可能です。
払い込み口座の名義人
払い込みする口座の名義人は以下のいずれかでなければなりません。
- 発起人(原則)
- 取締役(発起人からの委任状が必要)
取締役の全員が海外に居住している場合、第三者に資本金の払い込みを委任することが可能です。その際も、発起人からの委任状は必要です。
払込取扱金融機関
払い込みをする口座は、日本の銀行の日本支店だけでなく、日本の銀行の海外支店、海外の銀行の日本支店でも良いです。海外の銀行の海外支店は認められません。
<「払込取扱機関」の該当の有無>
内国銀行の日本国内本支店(例:東京銀行の大阪支店) | 〇 |
内国銀行の海外支店(例:東京銀行のニューヨーク支店) ※現地法人を除く | 〇 |
外国銀行の日本国内支店(例:ニューヨーク銀行の東京支店) | 〇 |
外国銀行の海外本支店(例:ニューヨーク銀行のボストン支店) | × |
署名証明書
定款認証時は発起人の印鑑証明書(発起人が法人の場合は謄本、印鑑証明書)、登記申請時は取締役の印鑑証明書が必要な場合があります。印鑑証明書は日本独自の制度なので、海外に居住する方は日本の印鑑証明書は取得できません。代わりに準備する書類が、署名(サイン)証明書です。署名証明書は日本にある各国大使館や、現地にある公証役場(Notary Office)等行政機関で取得できます。例えばアメリカ人の署名証明書を取得したいときは、日本のアメリカ大使館、アメリカのNotary Office等の行政機関で取得します。
署名証明書は現地の言語で作成されますので、定款認証や登記等で使用する場合は日本語の翻訳文も併せて提出します。
まとめ
日本に協力者がいなくても、海外に住んでいながら会社の設立は可能ですが、実務上は非常に難しいでしょう。定款認証や必要書類の準備、記載の方法等を確認しながらだと非常に時間がかかります。会社設立後、経営者のビザもとる予定であれば、ビザの要件に適合する会社形態であるかの確認も非常に重要です。初めて会社を設立する場合は、専門家に相談しながら進めましょう。
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【Profile】
2014年に明治学院大学法学部を卒業。その後大手行政書士法人にて7年間業務に携わり、2022年10月にリノバース行政書士事務所を開業。外国人のビザ、在留資格申請をはじめ建設業、宅建業等の各種許認可申請、会社設立、合併、分割等の会社法関連業務を得意とする。
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