留学生の就職活動期間の在留資格とは

日本にいる留学生は、2021年5月1日時点で242,444人ですが、留学生の就職率は毎年40%前後と日本人に比べて非常に低い数値となっています。そのため大学等に在学中に内定を取ることができなかった留学生は毎年多くいますが、その方々は卒業後も引き続き、日本で就職活動をすることができます。

特定活動(就職活動)

大学等を卒業後、引き続き日本に滞在し就職活動を行う留学生は、在留資格「留学」から「特定活動(就職活動)」への変更が必要です。最初に付与される在留期間は6か月間で、さらに1回の在留期間更新が認められることにより、最長1年間滞在することが可能です。また日本滞在中の生活費等を賄うために、資格外活動許可を取得し、週28時間以内のアルバイトをすることも可能です。

対象となる学生

①大学、大学院又は短期大学を卒業した者

「留学」の在留資格をもって大学、大学院又は短期大学を卒業した者であって、卒業前から行っている就職活動を継続する者が対象です。

②専門士の称号を取得し、専門学校を卒業した者

「留学」の在留資格をもって専門士の称号を取得し、専門学校を卒業した者であって、卒業前から行っている就職活動を継続する者が対象です。ただし、専門学校で学んでいた学習課程が「技術・人文知識・国際業務」等、就労に係るいずれかの在留資格に該当する活動と関連があるものに限られます。

専門学校を卒業した留学生は、大学等卒業者と比べて、「技術・人文知識・国際業務」等で認められる業務内容に関連したことを学んでいることが要求されるため注意が必要です。
大学等卒業者における専攻科目と業務内容との関連性は柔軟に審査されますが、専門学校の卒業者は専攻科目と業務内容の関連性は厳格に審査されるためです。

③日本語教育機関(日本語学校)を卒業した者

海外の大学を卒業後、日本の日本語学校等を卒業した者も「特定活動(就職活動)」への変更が可能です。ただし①,②と比べて、以下の通り要件が多く規定されています。

【外国人の要件】

1,海外の大学等を卒業し、学士以上の学位を取得していること

2,在籍していた日本語教育機関における出席状況が良好であること

3,就職活動を続けるための経費支弁能力を有していること

4,日本語教育機関在籍中から就職活動を行っていること

5,在籍していた日本語教育機関と卒業後も定期的に連絡を取り合い、就職活動の状況を報告するとともに、就職活動に関する情報を受け取ること

6,在籍していた日本語教育機関から推薦状を取得していること

【日本語教育機関の要件】

1,「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令の留学の在留資格に係る基準の規定に基づき日本語教育機関等を定める件」に掲げる日本語教育機関であること

2,直近3年間において、出入国在留管理局から「適正校」である通知を3年連続で受けていること

3,職業安定法に基づく職業紹介事業の許可の取得又は届出を行っていること又は就職を目的とするコースを備えていること

4,在籍している留学生について、直近1年間において1名以上又は直近3年間において2名以上の就職実績があること

5,当該留学生と卒業後も定期的に就職活動の進捗の確認及び就職活動についての情報提供を行うこと

6,当該留学生が就職が決定しなかった場合、就職活動を取りやめる場合は適切な帰国指導を行うこと

就職活動中の留学生を採用した場合

「特定活動(就職活動)」の在留資格を持つ外国人を採用した企業は、まず外国人の在留カードの在留期限を確認しましょう。入社時には「技術・人文知識・国際業務」等の就労可能な在留資格への変更が済んでいることが必要ですが、在留資格変更申請の準備にはそれなりに時間がかかるため、せっかく採用を決めたのに申請準備している間に在留期限が切れてしまった、なんてことのないよう、まずは在留期限を確認しておきましょう。
採用を決めた後は、入社まで時間がある場合とそうでない場合とで手続きが異なります。

内定~入社まで期間がある場合

日本の企業の多くは、新卒採用の入社時期を4月としています。そのため、内定から入社までの間が空いてしまう場合があります。その間(内定後1年以内であって卒業後1年6か月を超えない期間)、外国人は「特定活動(内定者)」の在留資格に変更することにより、入社まで日本に滞在することができます。
内定~入社まで期間(おおむね3か月以上)がある場合は、「特定活動(内定者)」へ変更後、「技術・人文知識・国際業務」等就労可能な在留資格へ変更することとなります。

特定活動(内定者)の必要書類

  1. 内定者として日本滞在中の生活費の支弁能力を証する書類(通帳コピー等)
  2. 内定企業にて行う業務内容に応じた在留資格変更許可申請に必要な書類
    ※以下ページをご参照ください。
  3. 内定通知書写し
  4. 内定待期期間、内定者と企業が定期的に連絡を取り合うことを誓約した誓約書(書式自由)
  5. 入社までの研修や内定式のスケジュール

内定~入社まで期間がない場合

内定後、すぐに入社又は内定~入社までおおむね3か月以内の場合は、「特定活動(就職活動)」から「技術・人文知識・国際業務」等就労可能な在留資格へ直接変更しましょう。

まとめ

留学生の就職率はそこまで高いとは言えず、日本で就職したくてもできない留学生は多くいらっしゃいます。外国人雇用サービスセンター(ホーム | 東京外国人雇用サービスセンター (mhlw.go.jp))や外国人材ナビセンター(東京外国人材採用ナビセンター (tokyo.lg.jp))等、自治体が運営している外国人採用企業向けの就職支援機関は自治体ごとに多くありますので、検討してみてはいかがでしょうか。

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