合同会社とは?
2006年の会社法改正により、合同会社が創設されました。株式会社等より比較的簡単に設立できるとして、近年増加傾向にある合同会社の概要について解説いたします。
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合同会社とは?
合同会社の出資者は「社員」と呼ばれ、社員は出資者であると同時に会社の業務執行者となることが特徴です。
出資者=経営者が成り立つため、「所有と経営の一致」と呼ばれています。
出資者である株主が役員を選任し、所有と経営が分離している株式会社と比べると、出資者の意思決定が直接会社の経営につながる点で、大きく異なります。
社員とは
前述の通り、出資者は社員と呼ばれます。
社員は原則、業務執行社員として会社の経営に携わりますが、定款に定めることで業務執行権を有しない社員を設定することも可能です。
業務執行権を有する社員の中から、会社を代表する代表社員を選任することが可能です。
業務執行社員と代表社員は登記されますが、業務執行権を有しない社員は登記されません。
※出資者が法人の場合
法人が出資した場合、社員もその法人となりますが、社員が法人の場合、職務執行者を定める必要があります。職務執行者は当該法人の職員である必要はなく、誰でもよいです。株式会社であれば株主総会や取締役会で選任された者が職務執行者となります。
職務執行者は登記されます。
株式会社との比較
社員、業務執行社員、代表社員はそれぞれ、株式会社で言うと以下のようになります。
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議決権
株主総会における株主の議決権は、保有株式数によって異なります。例えば、60%の株式を保有するAさんと40%の株式を保有するBさんの議決権の割合は、60:40です。Aさん一人の賛成によって、過半数の賛成となります。
一方、合同会社における社員の議決権は、「一人一議決権」です。出資額の大小によって議決権の割合は変わらないため、1,000万円を出資したAさんと100万円を出資したBさんの議決権は変わりません。
社員の議決権は平等です。
合同会社の特徴
様々な視点から見た合同会社の特徴について解説いたします。
コスト
合同会社は株式会社に比べて、設立時にかかるコストが低いです。
法務局に設立の申請する際の登録免許税は、株式会社は15万円~であるのに対し、合同会社は6万円~です。
また合同会社は定款認証が不要なため、公証役場に支払う定款認証費用も掛かりません。
設立後のコストについても、株式会社と比べて抑えることができます。
株式会社は毎年決算期に決算の公告義務があるため、官報への掲載申し込み又はHPへの掲載にかかる費用が発生しますが、合同会社は決算の公告義務がありません。
また、株式会社は役員の任期(最長10年)ごとに変更登記が必要ですが、合同会社の社員は任期がないため、登記費用もかかりません。
機関設計
株式会社は、取締役や監査役、株主総会、取締役会、委員会等、会社を運営していく上で必要な「機関」を設計します。
機関にはそれぞれ決められた役割があり、それぞれ独立した権限を有します。
例えば、取締役の就任や解任は株主総会でのみ決議ができます。また取締役の業務の監査は監査役が行います。
様々な機関の相互監視によって会社の秩序が保たれている一方、意思決定に時間がかかるというデメリットもあります。
一方合同会社に機関の設置はありません。会社の意思決定は全て社員によって行われます。
意思決定をスムーズに行うことができ、スピード感をもって事業の展開が可能となる一方、社員の権限が絶対的であることから、独善的な会社経営が可能となることはメリット、デメリット両方の側面があるでしょう。
資金調達
株式会社は、株式を発行することによって、広く出資者を募ることができます。また株主は必ずしも経営に携わるわけではないので、経営には興味ないけど配当は欲しい等、出資だけの株主を募ることも可能であることから、資金調達がしやすいです。
一方合同会社は、株式の発行はできず、広く出資者を募ることは難しいです。出資者=原則業務執行社員として経営にも携わることとなるため、不特定多数の出資者を募ることはリスクが高いでしょう。
まとめ
株式会社と合同会社の違いについては以下のページで解説していますので、是非ご参照ください。
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【Profile】
2014年に明治学院大学法学部を卒業。その後大手行政書士法人にて7年間業務に携わり、2022年10月にリノバース行政書士事務所を開業。外国人のビザ、在留資格申請をはじめ建設業、宅建業等の各種許認可申請、会社設立、合併、分割等の会社法関連業務を得意とする。
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